一般社団法人日本医療経営実践協会は医療に必要な一般的、基礎的な知識を有するとともに、医療機関のかかえる様々な経営課題を、迅速かつ的確に解決できる能力をもった人材の育成、養成を目的に、2010年7月に設立された法人であります。 いまわが国の医療は、医師の不在と偏在、医療費の急激な増加、医療機関の経営難など、様々な問題をかかえ、崩壊の危機に瀕しているともいわれております。このような状況のなかで、国民に安心、安全で、高度、良質な医療を提供し、できるだけ医療費の増加を抑制しつつ、医療機関の経営の安定を図ることは緊急の課題であります。 医療機関の経営の安定のためには、医療と経営の双方に精通し、医療機関が直面する様々な経営上の問題や困難に対し、広い視野と総合的な観点から、適切な判断と迅速な行動をもって対処し、解決しうる専門的能力を有する人材が欠かせません。本協会は、そのような人材を医療経営士として認定し、さらにその能力、資質の向上を図るための教育、研修などを行い、医療機関の経営を担う中核的な人材を育成、養成しようというものであります。 医療経営士は、知識と能力の程度、業務のレベルに応じて、医療及び経営の基礎知識を有する3級、医療経営に関する幅広い知識や問題解決のための分析力を備えた2級、理事長や院長とともに経営幹部として意思決定を行うことができる1級、の3等級に分けて認定試験を行い、その資格を認定します。2010年9月に第1回の医療経営士3級資格認定試験を実施して以来、回数を重ねるごとに受験者も増加し、2013年には医療経営士の最高峰に位置づけられる、第1回医療経営士1級資格認定試験を開催することができました。資格認定審査を経て、2014年には初の「医療経営士1級」資格認定者が5名誕生しています。 さらに本協会としては、会報誌『理論と実践』及び『MMS(Medical Manegement Specialist)ニュース』、『医療経営手帳』の発行・監修、「全国医療経営士実践研究会」やセミナー・シンポジウムの開催、医療経営士の自己研鑽が図れる各種研究会の設置等を通じて教育体制を充実させるとともに、様々な情報を発信していく方針です。 いうまでもなく人の能力の評価、資格の認定は極めて難しく、責任は重大であります。認定される者のみならず、認定する者にも高い信用と能力が求められ、常にその資格が問われるといっても過言ではありません。また本協会の事業の円滑な実施のためには、医師をはじめとする医療関係者や医療関係団体は無論のこと、一般国民の方々の多大のご理解とご支援が不可欠であります。 本協会といたしましては、事業の公共性と社会的責任の重さを自覚し、各方面のご意見にも耳を傾けつつ、一歩一歩事業を進め、わが国の医療機関の経営基盤の強化と経営の安定を図り、医療界のみならず、健康関連事業全体の発展、明るい未来の創造に向けて努力して参る所存であります。何卒宜しくご指導、ご鞭撻の程お願いし、ご挨拶といたします。 |
日本医療経営実践協会 代表理事 |